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  宗右衛門 『鉄道ジオラマの世界』 作品集   『夏の記憶』シリーズ
            

◆「幼き鉄道カメラマン」  (2004年)

                               踏切を渡るとき、遠くにこちらにやってくる気動車が見えた。
                                「あっ、急行だ! よぉ〜し!」と気合いを入れる。
                        

                                    「これはいいチャンス!」と、急いでカメラバックからカメラを取り出し構えた。
                                      「柵がちょと邪魔かな…」 こんな時、「望遠レンズがあたらな…」と、いつも思う。
                                    勾配区間なので、気動車のンジン音がゆっくりと近づいてきた。 

  

                   「いや、縦ではなく横にしよう」 カメラを構え直し、ファインダーを覗いた瞬間、三輪トラックがトコトコと音を立てて割り込んできた…。

                   トコトコトコ…、トラックは何のためらいもなく接近してくる。 それと同時に気動車も接近してくる。
                   必死でアングルを調整する。
                   「うわぁ、かぶった!」

                   焦りつつカメラを縦に構え直し、気動車のフロントサイドだけでも!、と思ったが…。
                    「うがぁ、荷台が…」
                   願い通じず…、撃沈…。 

  

                   「くっ!」と唇を噛んで、踏切待ちする三輪トラックを睨みつつも、仕方なく後追い撮影に望みを繋ぐ。

                   踏切から先は勾配区間だし、夏のこの時期は何て言っても下草が邪魔…。
                   「うぅ、あまりよくないなぁ…」

                   「ありゃぁ〜」
                   リアはブラインドの中…。   しかも草が…。  水鏡にも写らず…。
                   やっぱり撃沈…。 

 

                         いつもこんな失敗ばかり…。
                         それでも、夏休みには、線路脇に立つ大きな木の太い枝に腰を下ろして、目の前を通過していく列車を眺めること
                         が、一番の楽しみだった。 

     

                 幼い頃、線路脇にある祖父母の田んぼへよく連れられて行きました。
                 祖母が田んぼ仕事をしている間、私は目の前を通過する列車を眺めて過ごしました。
                 今度はどちから来るのか、どんな列車がくるのか、ワクワクした気持ちで待っていました。
                 当時その路線は電化されていましたが、電車や電気機関車に混じって、蒸気機関車の牽く貨物列車や気動車の特急・急行列車なども
                 頻繁にやってきました。
                 その頃もしカメラがあったら、いったいどんな気持ちで、どんな写真を撮影したのでしょうか。
                 ジオラマを作る手を休めて、ときどきそんなことをぼんやりと考えていました。

 

NAK企画 様 蔵 (茨城県水戸市)

 

 

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